back →     home →         


『 卒業 THE GRADUATE 』

2004.4.17.Sat.(2部)  at 東京グローブ座
 席は1階I(アイ)列、ステージ向かって左寄り。通路沿い。劇中、キャストが1階の通路を通るという演出があると事前に聞いていたので、ちょっと期待を持ちつつ。。その首尾は後刻。
 冒頭、幕が上がると、ウェットスーツにゴーグルという出で立ちのベンジャミンが、自室のベッドに腰掛けている。部屋の中というセットでありながら、照明・効果音で、水槽?プール?の中のような雰囲気を演出しているんだけど、映画「卒業」を未見だった私は、この冒頭ですでに「…??(・w・;)」の嵐。映画観てれば「ああ〜」ってわかったんだろうけどね。。そんなわけで、この舞台を観たあとで映画の「卒業」を観たのですが、それとあわせての感想というか、思ったことを書きます。
 この「卒業」という舞台、これには、古典的名作とされる映画「卒業」(1967年公開)、そしてブロードウェイで上演されたというアメリカ版舞台「卒業」という、いわゆる”元ネタ”があるわけですが、この日本版舞台「卒業」は、はっきり申し上げて、何をしたいのかがよくわからない。アメリカ版舞台がどんなものだったのかが私はまだわからないのでそこは何とも言えませんが、とりあえず映画との兼ね合いで考えると、あの名作映画への純然たるリスペクトを以って作っているのか?それともあの名作映画の世界に違う解釈を付け加えて果敢に切り込んだ挑戦作なのか?そのへんが、どうも中途半端だったと思うんです。映画を観て思ったんですけど、この有名な映画の世界観(設定)≒若さゆえの短絡さとか、ユーモアとか、そういう要素をほぼそのまま取り入れたストーリーにしているのに、いたずらにふざけた演出に終始しているように見えたというか。。そう、どうしても「いたずらに」と思えてしまうんですよね。元ネタの設定をそのまま使いながらも終始笑える娯楽作にするっていうのもそれはありだと思うんだけど、この日本版舞台は、そこに説得力というか、「ああ、こういうのもありだな」と納得させるだけのものがなかったと思う。(もしかしてアメリカ版舞台をなぞってるんだったら、そのアメリカ版舞台が、説得力がないと思う。)それはたぶん、元ネタ(映画)があまりにも有名すぎるからだと思うんだけどね。。そうやって元ネタ(しかも有名すぎる)があるということは、観に来る観客は、多かれ少なかれ、そのイメージを持って劇場にやって来るわけだから、元ネタを忠実になぞって素晴らしくまとめ上げているか、あるいは、元ネタの世界を多少なりと打ち砕いて、違う作品としてまとめ上がっているか、そのどちらかでないと、観て納得はできないと思うんですよね。そういう意味で、なんかどっちつかずだったと思う。一体何がしたいのか、何を伝えたくてこの舞台を作ったのか。
 その答えが「三宅健の可愛さ」だったら、何も文句ありませんけどね!(爆)そういうことなら、非常によくできてたと思いますよ。満載でしたから(笑)でもさー、それならそうと早く言っといてくれよって感じでしたねー。だってCMのあの雰囲気とか見てさぁ、かわゆいケンジャミンを誰が想像する?切なげな、クラシックなものを想像しないかい?そういうものなんですかねぇ、舞台の宣伝っていうのは。。映画の宣伝のように要のシーンを1つ2つ見せるとか、CDの宣伝のようにフレーズを一節聞かせるとか、そういうことができない分、舞台の宣伝っていうのは、ポスターとかチラシとかCMとかの雰囲気で、観る前の期待感が大きく左右されると思うんですけどねぇ。
 で、ケンジャミンのツボ(笑)
 まーとにかく、可愛いこと可愛いこと。冒頭部で着てたウェットスーツを脱ごうとしてなかなか脱げないという、その笑いを誘う間(ま)から始まりまして(困った様子を後ろ姿で表現してて、なにげによかったと思いますここ)、可愛いケンジャミンのピークは、ミセスロビンソンとの罵り合いのシーンで、最初は売り言葉に買い言葉で丁々発止するんだけど、「テクニックは最低よ」とか言われたのをキッカケに?、がらりとお甘えケンジャミンモードに突入(爆)テクニックがない、と言われたことに対して「…そうなの?そうなの?そうなのぉ?…ほんとにぃ?」といった具合です(^w^;)あまりにお甘えなのでミセスロビンソン、というか秋吉さんが一瞬ひるんで?笑ってしまい、そこに畳みかけるようにケンジャミン「どうしたの〜?ロビちゃ〜ん」、さらに「ベンちゃん困っちゃう〜」…だったかな(^▽^;)この「卒業」という作品の中に、そうまでしての可愛さは必要なの?っていう、個人的にはどうしてもそこが乗り越えられなかったんですが、このケンジャミン=三宅さんだけ単体で取り出して見たら、激烈に可愛かったです(笑)
 そういうケンジャミンの可愛さとか、ユーモア通り越してのギャグっぽい笑わせとかは、作品に対しての必要性という点では疑問符が飛びましたけど、それ単体として取り出して見たら、動きひとつ、仕草ひとつ取っても、よくできてる…よく練られて完成してると思いましたね。笑わせシーンの中で個人的にいちばん笑ったのは、ハンガーのとこかな。。ホテルの部屋のクローゼットに据え付けの、つまり取り外しできない木のハンガーを無理やり取り外そうとしてファイティング(笑)しまいにはクローゼットの中に突入してハンガーをどやしつけ(?)、その後、一仕事終えた晴れ晴れした顔でクローゼットから出てくる。。奮闘ぶりを示すように髪の毛はボサボサ(笑)そこの一連の流れが、スピーディーで面白かったです。あとどのシーンだったか忘れたけど、勢いあまってクローゼットの扉に激突してたとこもあったなぁ(^w^;)さりげなく「痛てぇ。。」とか言ってて、その様子に客席大笑いでしたが、これは毎回の演出なんですかね?それともこの回が勢いが余りすぎた?そのあたりは不明ですが、このシーンを初めとして、三宅さんの動きはほんとにきびきびとして、ダイナミックで、見応え十分でした。観劇直後にネタバレ掲示板にも書いたけど、声もすっごいよく出てるしさ!←健舞台を初めて観た者として、いちばん感動したのがここでした。動きとかもそうだけど、声の出し方とか、きっちり練習して完成させてるっていうのがすっごいわかって、そういう三宅さんを見れたっていう点ではもう、ほんとに、観に来てよかったと思いました(;w;)惚れ直すとはこのことね。ほんとに素敵でした。輝いてました(力説)
 第2幕も終盤にさしかかる頃だったかな?結婚式を挙げるエレーンを教会から連れ去って、手に手を取って逃避行する2人が、1階客席の通路を通ってステージに向かうという演出があったのですが、私の座っていた席側(ステージ向かって左寄り)とは逆側、つまりステージ向かって右寄り側の通路を、ケンジャミンとエレーンは通って行きました。私の記憶に今あるのは、エレーンのウェディングドレスが真っ白で綺麗だったということと、三宅さんが超至近距離を通っていって「きゃ〜!きゃ〜!きゃ〜!(≧▽≦)」ってなってるお客さんの顔(笑)ケンジャミンの表情もちょっと見えたかな…隙のない表情。カミコンで触るなオーラを出している三宅さんをちょっと思い起こしたり(^w^;)
 共演の方々につきまして。
 秋吉さん、綺麗〜。さすがの風格といいますか。映画のミセスロビンソンは、退廃的でひたすらドスのきいた感じだけど、秋吉さんが演じたミセスロビンソンは、もうちょっとちゃきちゃきして、パワフルさも持っていた感じ。初舞台だそうですが、発声から何から、安心して観れました。パンフ読んで初めて知ったけど、秋吉さんって、衣装デザインとか、自ら脚本書いたり監督したりとか、なさってるんですねー。才色兼備(@w@)すごいわぁ。
 星野真里ちゃんは、演技はさすがだな〜と思ったけど、つぶやくようなセリフのとこなんかで、ほんとに声がちっちゃくなっちゃってたのが残念だったかなー。三宅さんとのシーンだと特に、三宅さんが素晴らしく声が出ているだけに、気になってしまいました。がんばれー。
 ミセスロビンソンとエレーンが家で2人で飲んだくれている、というシーンがありましたが、この2人の関係性が、映画とは違うところなのね。映画では、2人が心を通わせるシーンは全くないんだけど、こういうのを入れるのは試みとしてちょっと面白いかもと思います。ただ、映画を未見の状態でこのシーンを観た時点では、正直、「??」なシーンのひとつでした(^w^;)やはり、ストーリー上での必要性という点で今ひとつ腑に落ちない、ってことなんだけど。。うーんなんか惜しい気がする。
 あ、そういえば、ミセスロビンソンとケンジャミンのベッドシーンですが、「…っつうかこれベッドシーン??」っていう程度のものでしたね(^w^;)ここにも「可愛いケンジャミン」の波が。つうかさ、制作発表の記事とかで「濃厚なベッドシーン」とか書いとくのやめてよねー(笑)このシーンを「濃厚な…」と形容するかぁ?完全にウソ・大げさ・紛らわしいだよそれ(爆)
 ラストシーンについて。私個人的には、うちのネタバレ掲示板にも書いたように、2人で逃げたはいいけど長くは続かない。。という未来を想起させてるのかなーと思ったんですが、そうだとすると、なんか結局、映画のラストと同じ方向性な気がする。と、映画を観た後である今はそう思います。映画のラスト、ベンジャミンは完全に自分のしたことに酔ってるだけっぽいし(だってエレーンに見つめられても眼差しを返しもしないし)、エレーンもエレーンで、そんなベンジャミンに一抹の不安がよぎりつつ、「…まっいっかv」ってなってるっぽいし、この2人のこれからの多難さがしのばれました。パンフ(舞台の)でおすぎさんが、映画「卒業」について「若いっていいことです」って書いてるけど、私はこの映画を観て、「若いって恐ろしい…」と思ったぞ(・w・;)ちょっと話逸れてますが、この舞台についての説明(?)として「映画とは違う結末」っていうのがあったと思うんだけど、それについては、「…そうか?」って感じです、個人的には(^w^;)確かに、映画では2人で逃げて、バスに乗ってそこで終わり、っていうのに対して、この舞台ではその続き…ホテルに落ち着いて、っていうのがありましたけどね。その点を以ってして「違う結末」と言ってるんだろうか。でもそのホテルの部屋で、結局、2人の未来は明るくない…と思わせるような終わり方をしてると思うんですけどねぇ。私のその受け取り方が違っている可能性もありますが(^w^;)どうなんでしょうか。
 カーテンコールの時、共演者さんたちが前に出て礼をしたりするその背中を、手を後ろ手に組みながらじっと見つめる三宅さんが印象的でした。そして、三宅さんのお辞儀はいつも綺麗。綺麗っていうか、ぴしっとしてるよねー。感謝の気がこっちにぱーんと飛んでくるような、そんなお辞儀の仕方をしますよね、三宅さんは。「ありがとうございました!」というご発声も素敵でした(^w^)
 何回目だったか、最後の最後でお1人で出てらして、幕がだんだん下りてくるその時、がばっとステージ上に伏して、幕が下りきるぎりぎりまで、客席にバイバイ(≧w≦)ああ愛しのケンジャミン〜でしたね、最後までv
 パンフについて。写真、すごく雰囲気がよくて好きですね〜。またこれも、実際の舞台のトーンとは切り離して…という話になりますが(^w^;)ああ〜こういう、このパンフの雰囲気みたいな作品を観たかったなぁ〜(←本音)
 三宅さんのページのテキスト、どうやって構成したんだろう…(笑)だって三宅さんのお言葉、明らかに三宅文体=”書き文章”だよねぇ。。その合間にインタビュアーの発話が差し挟まれてるっていうのは、一体どういう仕組みなんでしょうか。。書き文章でのやり取りを行なったってこと?
 あとパンフの中では、おすぎさんの寄稿の、映画「卒業」についてのくだりと、”ケンクン”についてのくだりがすっぱり分断されてるのになんか笑った(笑)映画の解説すごいわかりやすいねー。文章の書き方として勉強になります<(_ _)>


 長々と書いてきましたが、つまり私の申し上げたいことをまとめると、
・有名すぎる作品のリメイクは、難しいと思う!
・舞台上の三宅さんは、輝いてた!
 この2つです(爆)ああ長い駄文をお読みくださった皆様、ごめんなさい<(_ _)>
 にこ健その22で三宅さん、この舞台に対する苦悩?を吐露されているふしがありますが、私思うに、(ちょっと飛躍しますが)これから先、ゆくゆくは、自分で作品をプロデュースできるようになったりすればいいんでない?秋吉さんみたいにさぁ(^w^)そういう時のために、今は、いろんな舞台、ひいてはいろんなお仕事をしておくのが先決だと思う!ご自分の取り組んでいることに対して、いろいろと思うところもおありだと思いますが、すべて、無駄にはならないと思いますよ。。と、一生健命人的コメントで締めくくってみる。お仕事きっちりする三宅さんはほんとに素敵だと思います。頑張ってほしい。とりあえず一生健命人たちは、貴方の頑張りは逃さず感知できますからね〜(笑)またがんばってくださいな!(^▽^)

                    back →     home →